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不妊検査の流れと費用を徹底解説|初診から治療開始までの全手順

【この記事の監修・執筆方針】
本記事は、日本生殖医学会のガイドラインや厚生労働省の公開資料、日本産科婦人科学会の診療指針など、権威ある医学的エビデンスに基づいて執筆しています。不妊検査の流れや費用に関する最新情報を、妊活・不妊治療に携わる医療ライターが丁寧にまとめました。記事内の費用や検査内容は医療機関によって異なる場合がありますので、詳しくは必ず担当の医師にご相談ください。

「不妊検査の流れってどうなっているの?」「費用はどのくらいかかるの?」——妊活を始めてしばらく経つと、そんな疑問が頭をよぎることがありますよね。不妊検査を受けてみたいけれど、何をされるのかわからなくて不安、費用が心配で一歩を踏み出せない…。そう感じている方は、決してあなただけではありません。

実は、日本では夫婦の約5.5組に1組が不妊治療を経験しているというデータがあります(国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」2021年)。不妊検査を受けることは、今やごく一般的な選択肢なのです。

この記事では、不妊検査の流れと費用を、初診の予約から結果の見方、治療への進め方まで網羅的にわかりやすく解説します。保険適用になる検査・ならない検査の違いや、男性側の検査についても詳しくお伝えしますので、パートナーと一緒に読んでいただくのもおすすめです。この記事を読み終えるころには、不安が少し軽くなり、「まずはここから始めてみよう」と思えるようになるはずです。

📋 この記事でわかること

  • 不妊検査の全体的な流れとスケジュール(初診〜約1〜2周期)
  • 女性側・男性側それぞれの主な検査内容と目的
  • 不妊検査にかかる費用の目安と保険適用の範囲(2024年最新)
  • 検査前に準備しておくべきことと持ち物チェックリスト
  • 検査結果の見方と、その後の治療ステップの概要

不妊検査を受けるタイミングと受診の目安

「不妊」と判断される基準とは

日本産科婦人科学会の定義によると、「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をせず性交を続けているにもかかわらず、一定期間(一般的に1年間)妊娠しない状態を指します。以前は2年間とされていましたが、2015年に国際的な基準に合わせて1年間に短縮されました。

ただし、これはあくまで目安です。以下に当てはまる方は、1年を待たずに早めの受診が推奨されています。

  • 35歳以上で妊活を始めて6か月以上妊娠しない方
  • 月経不順が続いている方(周期が25日未満または39日以上)
  • 過去に子宮内膜症・卵巣のう腫・子宮筋腫などの婦人科疾患を指摘されたことがある方
  • 性感染症(クラミジアなど)の既往がある方
  • 強い月経痛がある方

年齢と妊娠率の関係|検査は「早め」がカギ

日本生殖医学会によると、女性の妊孕力(にんようりょく=妊娠する力)は30代後半から急速に低下し始め、40歳以降はさらに低下が加速するとされています。具体的には、自然妊娠の確率は以下のように変化すると言われています。

年齢 1周期あたりの自然妊娠率(目安)
25〜29歳 約25〜30%
30〜34歳 約20〜25%
35〜39歳 約10〜18%
40〜44歳 約5%以下

「もう少し自然に様子を見ようかな」と思う気持ちもよくわかります。しかし、不妊検査を受けること自体は体への負担が比較的少なく、早めに原因がわかれば、その分だけ有効な対策をとれる時間が長くなります。「検査を受けたからといって、すぐに治療を始めなければいけないわけではない」という点も覚えておいていただければと思います。

不妊検査の流れ|初診から検査完了までの全体スケジュール

不妊検査の流れを時系列で解説

不妊検査は、一般的に1〜2回の月経周期(約1〜2か月)をかけて段階的に行われます。月経周期に合わせて最適な時期に各検査を実施するため、1日ですべてが終わるわけではありません。以下が標準的な不妊検査の流れです。

  1. 初診(問診・内診・基本血液検査):月経周期に関係なく受診可能な場合が多い
  2. 月経中(2〜5日目):ホルモン検査(基礎ホルモン値の測定)
  3. 低温期(月経終了後〜排卵前):子宮卵管造影検査(HSG)、経膣超音波検査
  4. 排卵期(月経12〜14日目頃):超音波での卵胞チェック、フーナーテスト(性交後試験)
  5. 高温期(排卵後7日目頃):黄体機能検査(プロゲステロン値の測定)
  6. 随時:精液検査(男性側)、感染症検査、甲状腺機能検査など

多くの方が「検査って何回も通わなきゃいけないの?」と驚かれますが、月経周期のタイミングに合わせることで、卵巣・子宮・ホルモンの状態をもっとも正確に評価できるのです。

初診日の流れ|何をする?何を聞かれる?

初診では、まず詳しい問診が行われます。以下のような内容を聞かれることが多いので、事前にメモしておくとスムーズです。

  • 月経周期(最終月経日・周期の長さ・月経痛の程度)
  • 妊活の期間
  • 過去の妊娠歴・流産歴
  • 婦人科系の既往歴(子宮筋腫・内膜症・卵巣のう腫など)
  • パートナーの年齢・健康状態
  • 現在服用中の薬・サプリメント
  • 基礎体温表(つけている場合)

問診の後、一般的には内診(経膣超音波検査)が行われ、子宮や卵巣の形・大きさ・異常の有無を確認します。初診日に血液検査も同時に行うことが多く、貧血や感染症の有無などもチェックされます。

検査スケジュールの目安カレンダー

以下は、月経周期28日を想定した不妊検査スケジュールの目安です。実際のスケジュールは個人の周期や医療機関の方針によって異なります。

月経周期の時期 検査内容 目的
月経2〜5日目 血液検査(FSH・LH・E2・PRL) 卵巣予備能・ホルモンバランスの評価
月経6〜10日目 子宮卵管造影検査(HSG) 卵管の通過性・子宮腔内の形態確認
月経12〜14日目 超音波検査(卵胞チェック)
フーナーテスト
排卵の確認・頸管粘液と精子の相性
月経21日目頃(高温期中期) 血液検査(プロゲステロン) 黄体機能の評価
随時 精液検査・AMH検査・甲状腺検査 男性因子・卵巣予備能・甲状腺機能の評価

女性が受ける主な不妊検査の内容と目的

ホルモン検査(血液検査)

不妊検査の基本中の基本が血液によるホルモン検査です。採血だけで済むため、体への負担は比較的少ない検査です。主に測定するホルモンは以下のとおりです。

ホルモン名 略称 検査時期 何がわかるか
卵胞刺激ホルモン FSH 月経2〜5日目 卵巣の働き具合(高すぎると卵巣機能低下の可能性)
黄体形成ホルモン LH 月経2〜5日目 排卵障害の有無(多嚢胞性卵巣症候群ではLH/FSH比が上昇)
エストラジオール E2 月経2〜5日目 卵胞の発育状態
プロラクチン PRL 随時 高プロラクチン血症(排卵障害の一因)
プロゲステロン P4 高温期中期 黄体機能(着床環境)の評価
抗ミュラー管ホルモン AMH 随時 卵巣に残っている卵子の「目安」(卵巣予備能)
甲状腺ホルモン TSH・FT4 随時 甲状腺機能異常(不妊や流産のリスクに関連)

特にAMH検査は近年注目されている検査で、卵巣にどのくらいの卵子が残っているかを推測する指標になります。ただし、AMHの値が低いからといって「妊娠できない」というわけではなく、あくまで「治療計画を立てるための目安」です。結果に不安を感じたら、必ず医師に詳しく説明してもらいましょう。

超音波検査(エコー検査)

経膣超音波検査は、膣から小さな超音波プローブを挿入して子宮や卵巣の状態を画像で確認する検査です。不妊検査の流れの中で最も頻繁に行われる検査の一つで、以下のことがわかります。

  • 子宮の大きさ・形態(子宮筋腫・子宮奇形の有無)
  • 子宮内膜の厚さ(着床環境の評価)
  • 卵巣の大きさ・卵胞の数と大きさ(排卵の予測)
  • 卵巣のう腫(チョコレートのう胞など)の有無

検査自体は数分程度で終わり、痛みはほとんどないことが多いですが、緊張するとお腹に力が入って少し違和感を感じることがあるかもしれません。リラックスして深呼吸を心がけるとよいでしょう。

子宮卵管造影検査(HSG)

不妊検査の中で「一番不安…」という声が多いのが、この子宮卵管造影検査(HSG:Hysterosalpingography)です。子宮口から造影剤を注入し、X線撮影で卵管が通っているかどうか子宮腔内の形態を調べます。

検査でわかること:

  • 卵管閉塞・卵管狭窄の有無(不妊原因の約25〜35%を占める卵管因子の特定)
  • 子宮腔内のポリープ・癒着・奇形の有無
  • 卵管水腫の有無

検査の流れ:

  1. 内診台に上がり、膣内を消毒する
  2. 子宮口から細いカテーテルを挿入する
  3. 造影剤をゆっくり注入する
  4. X線で撮影し、造影剤の広がり方を確認する
  5. 一定時間後に再度撮影する場合もある

痛みの感じ方には個人差があり、「生理痛のような鈍い痛みがあった」「思ったほどではなかった」など、感想はさまざまです。卵管に詰まりがある場合は痛みを強く感じることがあると言われています。多くの医療機関では、検査前に鎮痛剤の服用を指示してくれますので、事前に確認しておくと安心です。

なお、HSG後の数周期は卵管の通りが良くなり、自然妊娠率がやや上がるという報告(いわゆる「ゴールデンタイム」)もあります。検査と同時に治療的な効果も期待できる点が特徴です。

フーナーテスト(性交後試験)

排卵日前後に性交渉を持った後、数時間〜12時間以内に受診し、頸管粘液の中に運動している精子がいるかどうかを顕微鏡で確認する検査です。精子と頸管粘液の相性(精子が子宮内に入っていけるか)を調べる目的で行われます。

検査結果は「良好」「不良」などで判定され、不良の場合は抗精子抗体検査など追加の検査を行う場合があります。ただし、近年ではフーナーテストの有用性について議論があり、実施しない方針のクリニックもあります。

その他の検査

基本的な検査に加え、必要に応じて以下のような追加検査が行われることがあります。

  • 子宮鏡検査:子宮腔内に細いカメラを入れて、ポリープや筋腫、癒着を直接観察する
  • 腹腔鏡検査:お腹に小さな穴を開けてカメラで骨盤内を観察(子宮内膜症や癒着の確認)
  • 抗精子抗体検査:女性の血液中に精子を攻撃する抗体がないか調べる
  • クラミジア検査:卵管の癒着・閉塞の原因となるクラミジア感染の有無

男性が受ける不妊検査の内容と重要性

不妊原因の約半数は男性側にある

WHO(世界保健機関)の調査によると、不妊の原因は「男性のみ」が約24%、「男女両方」が約24%で、合計すると約48%のケースで男性側にも原因があるとされています。つまり、不妊検査は女性だけが受ければいいというものではなく、パートナーと一緒に受けることが非常に重要です。

「男性が検査を受けたがらない」という悩みも少なくありませんが、精液検査は自宅で採取して持参することも可能な医療機関が多いため、心理的なハードルは思ったより低いかもしれません。

精液検査の内容と基準値

男性の不妊検査で最も基本的なのが精液検査です。2〜7日間の禁欲期間の後に精液を採取し、以下の項目を調べます。

検査項目 WHOの基準値(2021年第6版)
精液量 1.4mL以上
精子濃度 1,600万/mL以上
総精子数 3,900万以上
運動率 42%以上
前進運動率 30%以上
正常形態率 4%以上(Kruger基準)

精液検査の結果は体調やストレスによって変動しやすいため、1回の結果だけで判断せず、2〜3回の検査を行って総合的に評価することが一般的です。結果が基準値を下回っていた場合でも、生活習慣の改善や治療で改善するケースも多くありますので、あまり悲観的にならないでくださいね。

男性のその他の検査

  • ホルモン検査:FSH・LH・テストステロンなどの血液検査で、精子を作る機能を評価
  • 陰嚢超音波検査:精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)の有無を確認。男性不妊の原因として最も多い
  • 染色体検査・遺伝子検査:重度の精子減少がある場合に実施されることがある

不妊検査の費用一覧|保険適用と自費の違い

不妊検査の費用の目安

不妊検査の費用は医療機関や地域によって差がありますが、以下が一般的な目安です。2022年4月から不妊治療の保険適用が大幅に拡大されたことにより、多くの基本検査が保険適用で受けられるようになりました。

検査名 保険適用 費用目安(3割負担の場合) 自費の場合の目安
初診料+問診+内診 約2,000〜3,000円
経膣超音波検査 約1,500〜2,500円
血液ホルモン検査(基本) 約3,000〜5,000円
子宮卵管造影検査(HSG) 約3,000〜6,000円 約10,000〜20,000円
精液検査 約1,000〜2,000円 約3,000〜5,000円
AMH検査 条件付き○(※) 約1,500〜2,000円 約5,000〜8,000円
フーナーテスト 約500〜1,000円
クラミジア検査 約1,000〜2,000円
甲状腺機能検査 約2,000〜3,000円
子宮鏡検査 約3,000〜5,000円 約10,000〜30,000円
抗精子抗体検査 △(医療機関による) 約3,000〜5,000円

※AMH検査は、2022年4月以降、不妊治療の一環として医師が必要と判断した場合に保険適用となるケースがあります。詳しくは受診先の医療機関にご確認ください。

不妊検査の総費用|初診から一通りの検査完了まで

上記の基本検査をすべて受けた場合、保険適用で約15,000〜30,000円程度が目安です。追加検査や自費検査が加わると、30,000〜50,000円程度になることもあります。

「思ったよりも高い…」と感じる方もいるかもしれませんが、不妊検査は不妊の原因を効率よく特定し、最適な治療法を選ぶための重要な投資です。原因がわからないまま自己流の妊活を続けるよりも、結果的には時間的にも経済的にも効率がよいケースが多いと言われています。

費用を抑えるための方法

  • 保険適用を最大限活用する:基本検査はほとんど保険適用で受けられます。初診時に保険証を忘れずに持参しましょう
  • 自治体の助成金を確認する:お住まいの市区町村によっては、不妊検査に対する助成制度(「不妊検査等助成事業」など)がある場合があります。東京都では、検査開始時点で妻の年齢が40歳未満の夫婦に対し、不妊検査にかかる費用の助成(上限5万円)が実施されています(2024年度時点・要確認)
  • 医療費控除を活用する:不妊検査・治療にかかった費用は、年間の医療費合計が10万円を超えた場合、確定申告で医療費控除の対象になります。領収書は必ず保管しておきましょう

不妊検査前に準備すること|持ち物・服装チェックリスト

初診前の準備チェックリスト

初めての受診は緊張するものですよね。事前に準備しておくと当日がスムーズに進みます。

✅ 持ち物チェックリスト

  • □ 健康保険証
  • □ 紹介状(他院からの場合)
  • □ 基礎体温表(記録している方)※アプリの画面でもOKな場合が多い
  • □ お薬手帳(服用中の薬がある方)
  • □ 月経に関するメモ(直近3〜6か月の月経開始日・周期)
  • □ 過去の検査結果(他院で検査を受けたことがある場合)
  • □ 聞きたいことリスト(質問を事前にメモしておくと◎)
  • □ 生理用ナプキン(内診後に少量の出血がある場合に備えて)
  • □ クレジットカードまたは現金(自費診療が発生する可能性に備えて)

服装のポイント

内診(経膣超音波検査)がありますので、着脱しやすい服装がおすすめです。

  • ワンピースよりも上下が分かれた服のほうが便利(下だけ脱げばOK)
  • タイトなジーンズやストッキングは避けたほうが楽
  • スカートにレギンスなどが着脱しやすくておすすめ
  • 靴下は履いたままでOKな場合がほとんど

パートナーと一緒に行く場合のポイント

初診からパートナーと一緒に受診するのは理想的ですが、必須ではありません。精液検査は自宅で採取して女性が持参することも可能です。ただし、以下のケースではパートナーの同席が求められる場合があります。

  • 治療方針の説明や同意書の記入時
  • 体外受精などの高度生殖医療に進む際
  • 男性側の追加検査が必要な場合

事前に医療機関に確認しておくとよいでしょう。

検査結果の見方と次のステップ

検査結果で判明する主な不妊原因

不妊検査の結果、以下のような原因が見つかることがあります。日本産科婦人科学会によると、不妊原因の割合はおおよそ以下のとおりです。

不妊原因 割合の目安 主な検査方法
排卵障害 約20〜25% ホルモン検査・超音波検査
卵管因子(閉塞・癒着) 約25〜35% 子宮卵管造影検査
男性因子 約30〜40% 精液検査
子宮因子(筋腫・ポリープ) 約5〜10% 超音波検査・子宮鏡検査
頸管因子 約5% フーナーテスト
原因不明 約10〜25% すべての検査で異常なし

※複数の原因が重複しているケースも多いため、合計は100%を超えます。

「原因不明」と言われると不安に感じるかもしれませんが、これは「現在の検査技術では原因を特定できない」という意味であり、「妊娠できない」という意味ではありません。原因不明不妊の方でも、タイミング療法や人工授精、体外受精などで妊娠に至るケースは多くあります。

検査結果後の治療ステップアップの流れ

検査結果に基づき、一般的には以下の順序で治療がステップアップされていきます。

  1. タイミング療法:排卵日を正確に予測し、最適なタイミングで性交渉を持つ方法。費用は1周期あたり保険適用で数千円程度
  2. 排卵誘発+タイミング療法:排卵障害がある場合に、内服薬や注射で排卵を促す
  3. 人工授精(AIH/IUI):精子を洗浄・濃縮して子宮内に直接注入する方法。保険適用で1回あたり約5,000〜10,000円
  4. 体外受精(IVF):卵子を体外に取り出し、精子と受精させてから子宮に戻す方法
  5. 顕微授精(ICSI):1個の精子を卵子に直接注入して受精させる方法

どの段階から治療を始めるか、どのくらいの期間で次のステップに進むかは、年齢・検査結果・ご夫婦の希望によって異なります。「すぐに体外受精を勧められるのでは…」と心配される方もいますが、多くの場合はまず負担の少ない治療から始めて、段階的にステップアップしていきます。治療方針について疑問があれば、遠慮なく医師に質問してくださいね。

セカンドオピニオンという選択肢

検査結果や治療方針に疑問を感じた場合は、セカンドオピニオンを求めることも大切です。これは医師に対して失礼なことではなく、むしろ日本生殖医学会も推奨している正当な権利です。異なる医療機関の意見を聞くことで、より納得のいく治療選択ができるかもしれません。

不妊検査を受ける病院の選び方

婦人科と不妊専門クリニックの違い

不妊検査を受ける場所としては、大きく分けて以下の選択肢があります。

医療機関の種類 特徴 向いている方
一般婦人科 基本的な検査は可能。妊婦健診と同じ待合室のことも まずは基本検査だけ受けたい方
不妊専門クリニック 専門的な検査・治療に対応。待合室が妊婦と別のことが多い 本格的に検査・治療を始めたい方
大学病院・総合病院 高度な検査・手術にも対応。待ち時間が長い傾向 合併症がある方、手術の可能性がある方

病院選びでチェックしたいポイント

  • 日本生殖医学会認定の生殖医療専門医がいるか:専門医の在籍は高い技術水準の目安になります。学会のウェブサイトで検索可能です
  • 通いやすい立地か:不妊検査・治療は複数回の通院が必要なため、自宅や職場から通いやすい場所が理想的です
  • 診療時間:仕事をしながら通院する場合、土日診療や夕方以降の診療枠があると助かります
  • 治療実績の公開:体外受精の成功率などを公開しているクリニックは透明性が高いと言えます
  • カウンセリング体制:不妊治療は精神的な負担も大きいため、心理カウンセラーが在籍しているかどうかも重要なポイントです
  • 費用の説明が明確か:初診時に治療費の見積もりや説明をしてくれるかどうかを確認しましょう

「どこを選べばいいかわからない」という方は、まずは地域の不妊専門クリニックの初診を予約してみることをおすすめします。初診で病院の雰囲気や医師との相性を確認し、合わないと感じたら転院することも問題ありません。

初診の予約方法と注意点

多くの不妊専門クリニックは完全予約制です。初診の予約は電話またはウェブサイトから行うことが一般的ですが、以下の点に注意してください。

  • 人気のクリニックは初診まで1〜3か月待ちの場合もあるため、早めの予約がおすすめ
  • 予約時に「いつ頃の受診がよいか」を確認する(月経周期のどの時期に来てほしいか指定される場合がある)
  • 初診時はパートナーの情報(年齢・既往歴など)も聞かれるため、事前に確認しておく
  • 初診にかかる時間は1〜2時間程度が一般的なので、時間に余裕を持って予約する

まとめ|不妊検査の流れと費用を知って安心の第一歩を

ここまで、不妊検査の流れと費用について詳しくお伝えしてきました。最後に、この記事の要点を振り返りましょう。

📌 この記事のまとめ

  1. 不妊検査は1〜2周期(約1〜2か月)かけて段階的に行われる:月経周期に合わせて最適なタイミングで検査することで、正確な結果が得られます
  2. 基本的な検査のほとんどは保険適用:一通りの検査費用は保険適用で約15,000〜30,000円が目安。自治体の助成金や医療費控除も活用しましょう
  3. 不妊原因の約半数は男性側にもある:パートナーと一緒に検査を受けることが、効率的な原因特定と治療への近道です
  4. 検査結果に基づいて、自分たちに合った治療法を選べる:タイミング療法から体外受精まで、段階的にステップアップしていくのが一般的です
  5. 「検査を受ける」こと自体が、前向きな一歩:不安な気持ちがあっても、まずは知ることが安心につながります。わからないことは遠慮なく医師に質問しましょう

不妊検査を受けようかどうか迷っている方にとって、この記事が一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。検査を受けることは決してネガティブなことではなく、ご自身の体を知り、未来のために最善の選択をする前向きな行動です。一人で抱え込まず、パートナーや医療スタッフと一緒に歩んでいきましょう。

📚 参考情報

  • 日本生殖医学会「不妊症Q&A」(https://www.jsrm.or.jp/)
  • 日本産科婦人科学会「不妊症について」
  • 厚生労働省「不妊治療に関する支援について」
  • 国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」(2021年)
  • WHO「WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen」第6版(2021年)

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の医療アドバイスではありません。検査や治療に関する判断は、必ず担当の医師にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 不妊検査は初診でどこまでできますか?

初診では、問診・内診(経膣超音波検査)・血液検査が行われることが一般的です。月経中に受診した場合は基礎ホルモン検査も同日に実施できるケースがあります。ただし、子宮卵管造影検査やフーナーテストなどは月経周期の特定のタイミングでしか行えないため、初診後に別日で予約を取る流れになります。初診にかかる費用は保険適用で約3,000〜8,000円程度が目安です。

Q2. 不妊検査はすべて保険適用になりますか?

2022年4月の保険適用拡大により、基本的な不妊検査のほとんどが保険適用で受けられるようになりました。ホルモン検査、超音波検査、子宮卵管造影検査、精液検査などは保険が使えます。ただし、AMH検査は条件付きの場合があるほか、一部の特殊な検査は自費になるケースもあります。受診前に医療機関に確認されることをおすすめします。

Q3. 子宮卵管造影検査(HSG)は痛いですか?

痛みの感じ方には個人差が大きいです。「生理痛のような鈍い痛みがあった」という方もいれば、「思ったほど痛くなかった」という方もいます。卵管に閉塞や狭窄がある場合は、造影剤が通りにくいため痛みを感じやすいとされています。多くの医療機関では検査前に鎮痛剤の服用を指示してくれますので、事前に相談しておくと安心です。検査自体は10〜15分程度で終了します。

Q4. 男性の精液検査は必ず必要ですか?

WHOの調査によると、不妊原因の約48%に男性側の要因が関わっているとされており、精液検査は不妊検査において非常に重要な検査です。女性側だけが検査を受けて異常がなくても、男性側に原因があるケースは少なくありません。効率的に原因を特定するためにも、できるだけ早い段階で精液検査を受けることが推奨されています。自宅採取が可能な医療機関も多いので、パートナーと相談してみてください。

Q5. 不妊検査にかかる期間はどのくらいですか?

基本的な不妊検査が一通り完了するまでには、一般的に1〜2回の月経周期(約1〜2か月)が必要です。月経周期に合わせて最適なタイミングで各検査を行う必要があるため、1日ですべてが終わるわけではありません。通院回数は3〜5回程度が目安ですが、追加検査が必要な場合はさらに期間がかかることもあります。

Q6. 何歳から不妊検査を受けたほうがいいですか?

年齢に関する明確な基準はありませんが、一般的には35歳未満で1年間、35歳以上で6か月間妊活しても妊娠しない場合に不妊検査を受けることが推奨されています。ただし、月経不順や婦人科疾患の既往がある方は年齢を問わず早めの受診が望ましいとされています。また、将来の妊娠に備えてAMH検査だけ先に受けておくという選択肢もあります。年齢や状況に合わせて、担当医師にご相談ください。

Q7. 不妊検査で「原因不明」と言われたらどうすればいいですか?

不妊検査で明確な原因が見つからない「原因不明不妊」は全体の約10〜25%を占めると言われています。これは「妊娠できない」という意味ではなく、現在の検査技術では特定できない微細な原因がある可能性を示しています。原因不明の場合でも、タイミング療法や人工授精、体外受精などの治療で妊娠に至るケースは多くあります。医師と相談しながら、段階的に治療を進めていくことが一般的です。

Q8. 不妊検査に自治体からの助成金はありますか?

お住まいの都道府県や市区町村によっては、不妊検査費用に対する助成制度が設けられている場合があります。例えば、東京都では「不妊検査等助成事業」として、検査開始時に妻の年齢が40歳未満の夫婦を対象に上限5万円の助成を行っています(2024年度時点)。助成の対象要件や金額は自治体により異なりますので、お住まいの地域の保健所や市区町村の窓口、ウェブサイトで最新情報を確認されることをおすすめします。

Q9. 不妊検査を受けたら、すぐに治療を始めなければいけませんか?

いいえ、そのようなことはありません。不妊検査はあくまで現在のお体の状態を把握するための検査です。結果を聞いたうえで、すぐに治療を始めるか、しばらく自然妊娠を目指すか、別の医療機関でセカンドオピニオンを受けるかは、ご夫婦の自由な判断です。医師から治療を強制されることはありませんので、安心して検査を受けていただければと思います。

Q10. 仕事をしながら不妊検査に通うことはできますか?

多くの方が仕事と両立しながら不妊検査に通っています。不妊専門クリニックの中には、土日祝日の診療や平日の夕方以降の診療枠を設けているところも増えています。ただし、月経周期に合わせて「この日に来てください」と指定されることがあるため、ある程度のスケジュール調整は必要です。職場に伝えるかどうかは個人の判断ですが、2023年からは「不妊治療と仕事の両立」を支援する企業向けの認定制度(厚生労働省「くるみんプラス」)も始まっており、社会的な理解は広がりつつあります。

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