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妊活中の筋トレは影響ある?正しい運動法と注意点7選

【この記事の監修・執筆方針】
本記事は、日本生殖医学会・日本産科婦人科学会のガイドライン、および国内外の査読付き論文(PubMed収載)のエビデンスに基づいて執筆しています。妊活中の筋トレが身体に与える影響について、最新の医学的知見をわかりやすい言葉でお伝えすることを目的としています。なお、個別の医療行為を推奨するものではありませんので、具体的な治療方針については必ずかかりつけの医師にご相談ください。

「妊活中に筋トレをしても大丈夫?」「激しい運動は妊娠に影響があるのでは?」——妊活を始めると、日頃の運動習慣について不安を感じる方はとても多いですよね。「身体を動かしたいけれど、妊娠のさまたげになったらどうしよう」と、ジムに行く足が遠のいてしまった方もいらっしゃるかもしれません。

結論からお伝えすると、妊活中の適度な筋トレは、妊娠しやすい身体づくりにプラスに働くと多くの研究で示されています。一方で、やり方や強度を間違えると逆効果になる可能性も指摘されています。この記事では、妊活と筋トレの影響について、医学的エビデンスをもとに「何が良くて、何に気をつけるべきか」を徹底的に解説します。読み終わる頃には、あなたに合った運動プランのヒントがきっと見つかるはずです。

📌 この記事でわかること

  • 妊活中の筋トレが妊娠力(ホルモンバランス・排卵・血流)に与える影響
  • 科学的根拠に基づいた「適切な運動強度」の目安
  • 妊活中におすすめの筋トレメニューと避けるべきトレーニング
  • 不妊治療中(体外受精・人工授精)の運動における注意点
  • 今日から始められる妊活×筋トレの実践スケジュール

妊活中の筋トレは本当に影響がある?最新の医学的見解

運動と妊娠率の関係を示す研究データ

「妊活に筋トレは影響するの?」という疑問に対して、複数の大規模研究が答えを示しています。

2016年にアメリカのObstetrics & Gynecology誌に掲載されたBoston University の前向きコホート研究(Nurses’ Health Study II、対象約17,000人)では、週に5時間以上の激しい運動を行っている女性は、適度な運動を行っている女性に比べて排卵障害のリスクが高まる傾向が報告されました。一方で、週に1〜5時間の中等度の運動を行っている女性は、運動習慣のない女性と比較して妊娠率が向上することも同時に示されています。

また、2012年にHuman Reproduction誌に発表されたノルウェーの研究(HUNT study、対象約3,000人)では、毎日激しいトレーニングを行う女性の不妊リスクは、適度に運動する女性の約3.2倍に上昇すると報告されています。

つまり、運動そのものが妊活に悪いのではなく、「強度」と「頻度」のバランスが鍵だということが科学的に明らかになっているのです。

日本の学会が推奨する運動の考え方

日本産科婦人科学会や日本生殖医学会は、妊娠を希望する女性に対して「適度な運動は推奨されるが、過度な運動は避けるべき」という立場を取っています。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、成人女性に週150分以上の中等度の有酸素活動が推奨されており、これは妊活中の女性にも適用される基本方針とされています。

ポイントは、筋トレ=ダメという単純な話ではないということです。「どんな筋トレを」「どのくらいの強度・頻度で」行うかによって、妊活への影響はプラスにもマイナスにもなり得るのです。

多くの方が感じている不安とその実態

妊活中の女性を対象にしたあるアンケート調査では、約65%の方が「運動していいのかわからない」と回答しています。多くの方が「何となく運動は控えた方がいい気がする」と感じているようですが、実際には運動不足のほうがリスクになるケースも少なくありません。この記事で正しい知識を身につけて、不安を解消していきましょう。

筋トレが妊娠力を高める5つのメカニズム

適度な筋トレは、妊活中の身体にさまざまな良い影響をもたらします。ここでは、科学的な根拠とともに5つのメカニズムを詳しく解説します。

①血流改善で子宮・卵巣への栄養供給がアップ

筋トレをすると全身の血流が良くなります。特に下半身の筋肉を使う運動は、骨盤内の血流を促進し、子宮や卵巣への酸素・栄養の供給を高めると言われています。2018年のJournal of Assisted Reproduction and Geneticsに掲載された研究では、適度な運動を行う女性は子宮内膜の厚さが改善する傾向があると報告されています。子宮内膜は受精卵が着床するための「ベッド」のような役割を果たすため、十分な厚さが確保されることは妊娠にとって非常に重要です。

②ホルモンバランスの正常化

適度な運動はインスリン感受性を改善し、エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンのバランスを整える効果があるとされています。特に、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方にとって、運動によるインスリン抵抗性の改善は排卵障害の改善につながる可能性があります。

2011年にHuman Reproduction Updateに掲載されたメタアナリシスでは、PCOS女性における運動介入によって、排卵率が約15%改善したというデータが示されています。

③適正体重の維持・BMI管理

BMI(体格指数)は妊娠率と密接に関係しています。日本生殖医学会によると、BMIが18.5未満(やせ)または25以上(肥満)の場合、妊娠率の低下や流産率の上昇が報告されています。筋トレは基礎代謝を高め、健康的な体重管理に貢献します。

BMI 分類 妊娠への影響
18.5未満 低体重(やせ) 排卵障害・無月経のリスク上昇
18.5〜24.9 普通体重 最も妊娠しやすい範囲
25.0〜29.9 肥満(1度) 排卵障害・着床障害のリスク上昇
30.0以上 肥満(2度以上) 不妊リスクが約2〜3倍に上昇

筋トレで筋肉量を適度に増やすことは、基礎代謝の向上を通じて適正BMIの維持に役立つのです。

④ストレスホルモンの軽減

妊活中は精神的なストレスを感じる方がとても多いですよね。「今月もダメだった」「周りはどんどん妊娠していく」——そんなプレッシャーを抱えている方も少なくないはずです。

運動にはストレスホルモン(コルチゾール)を適度に低減させ、幸せホルモンと呼ばれるエンドルフィンやセロトニンの分泌を促す効果があります。慢性的なストレスは視床下部-下垂体-卵巣軸(HPO軸)に影響を及ぼし、排卵を抑制する可能性があるため、ストレスマネジメントとしての筋トレは妊活にとって大きな意味を持ちます。

⑤睡眠の質の向上

適度な筋トレは睡眠の質を向上させることが知られています。2019年のSleep Medicine Reviewsに掲載されたメタアナリシスでは、レジスタンストレーニング(筋トレ)は睡眠の質を有意に改善することが報告されました。質の良い睡眠は、メラトニンの分泌を促し、卵子の酸化ストレスからの保護に寄与するとされています。日本産科婦人科学会の資料でも、規則正しい生活リズムの重要性が繰り返し強調されています。

やりすぎは逆効果?妊活に悪影響を及ぼす筋トレとは

ここまでは筋トレの良い面をお伝えしてきましたが、妊活中の筋トレには「やりすぎると逆効果」という重要な側面もあります。妊活への影響を正しく理解するために、注意すべきポイントを押さえましょう。

過度な筋トレが排卵を止めるメカニズム

激しい運動を長時間・高頻度で行うと、体が「今は生殖にエネルギーを使える状態ではない」と判断し、視床下部性無月経(hypothalamic amenorrhea)を引き起こすことがあります。これは、視床下部からのGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)の分泌が抑制され、FSH・LHの分泌低下を通じて排卵が止まってしまう状態です。

アメリカスポーツ医学会(ACSM)は、女性アスリートの約1〜44%(競技によって差がある)が運動性無月経を経験していると報告しています。これは極端な例ですが、一般女性でも「週6日以上のハードなトレーニング+カロリー制限」を行えば同様のリスクが生じる可能性があります。

体脂肪の過度な低下がもたらすリスク

筋トレとともにダイエットを行い、体脂肪率が17%以下になると月経不順や無月経のリスクが高まるとされています。体脂肪はエストロゲンの産生に関与しているため、極端な低体脂肪は女性ホルモンの低下を招きかねません。

「引き締まった体を目指したい」という気持ちはよくわかりますが、妊活中は「見た目の理想」よりも「妊娠しやすい身体の状態」を優先することが大切です。

こんなサインが出たら要注意!

以下のような症状が現れた場合は、運動量が多すぎる可能性があります。

  • 月経周期が不規則になった(25日未満または38日以上)
  • 月経が3か月以上来ない
  • 慢性的な疲労感が取れない
  • 運動後に体調が悪化する
  • 基礎体温が二相にならない(高温期が不明瞭)
  • 怪我や故障が増えた

これらの症状に心当たりがある場合は、運動量を見直すとともに、必ず婦人科の医師にご相談ください。

避けたほうがよい筋トレ・運動の例

避けたほうがよい運動 理由
最大重量に近い高重量トレーニング(1RM90%以上) コルチゾール急上昇・腹圧過多のリスク
週6〜7日の高強度インターバルトレーニング(HIIT) 回復不足・HPO軸への悪影響
極端なカロリー制限と組み合わせた筋トレ エネルギー不足による無月経リスク
2時間以上の長時間のマラソンやトレーニング 酸化ストレス増加・ホルモン抑制
腹部に強い圧迫がかかる種目(超高重量のデッドリフト・スクワット等) 骨盤底筋への過度な負荷

妊活中の筋トレに適した運動強度の目安

では、具体的にどのくらいの強度・頻度で筋トレをすれば、妊活にプラスの影響を与えられるのでしょうか。ここでは、わかりやすい指標を使って解説します。

「中等度」の運動強度を知ろう

厚生労働省の運動ガイドラインでは、中等度の運動を「ややきつい」と感じるレベル(ボルグスケールで11〜13)と定義しています。具体的には以下のような状態です。

  • 会話ができるが、歌はうたえないくらいの息のあがり具合
  • 心拍数が最大心拍数の50〜70%程度(目安:(220-年齢)×0.5〜0.7)
  • 汗がにじむ程度の運動

例えば30歳の方であれば、最大心拍数は約190。その50〜70%は95〜133拍/分となります。スマートウォッチなどで心拍数をモニタリングすると、より正確に管理できますよ。

妊活中に推奨される運動量の目安

項目 推奨目安
週あたりの運動頻度 3〜5回
1回あたりの運動時間 30〜60分
週あたりの合計時間 150〜300分
運動強度 中等度(RPE 11〜13 / 最大心拍数の50〜70%)
筋トレの頻度 週2〜3回(全身をバランスよく)
休息日 週2日以上確保

この目安はあくまで一般的な指針です。これまでの運動習慣や体力レベルによって適切な量は異なりますので、不安な場合は医師やスポーツトレーナーに相談することをおすすめします。

心拍数・RPE(主観的運動強度)の活用法

RPE(Rating of Perceived Exertion)は、自分の感覚で運動強度を判断する指標です。6〜20のスケールで表され、妊活中は「11(楽である)〜13(ややきつい)」の範囲を意識するのが良いでしょう。

  1. 運動中に「ややきつい」と感じたら、その強度をキープ
  2. 「きつい(RPE 15以上)」と感じたら、強度を下げるか休憩を入れる
  3. 運動後に「心地よい疲労感」が残る程度が理想的
  4. 翌日に強い筋肉痛や倦怠感がある場合は、運動量を見直す

妊活中におすすめの筋トレメニュー7選

ここからは、妊活中の方に特におすすめの筋トレメニューを具体的にご紹介します。いずれも自宅で器具なし、または軽いダンベル程度で行えるものを厳選しました。

下半身を鍛えるメニュー

① ワイドスクワット

足を肩幅よりやや広く開き、つま先を外側に向けて行うスクワットです。太もも内側(内転筋)とお尻(大臀筋)を効果的に鍛えられます。骨盤周りの血流改善に特に効果的とされ、妊活中の方に人気のエクササイズです。

  • 回数の目安:10〜15回 × 2〜3セット
  • ポイント:膝がつま先より前に出すぎないよう注意。背筋は伸ばしたまま行う

② ヒップリフト(グルートブリッジ)

仰向けに寝て膝を立て、お尻を持ち上げる動作です。大臀筋を重点的に鍛えながら、骨盤底筋群にも刺激が入ります。骨盤底筋は子宮を支える筋肉群であり、妊娠・出産にも深く関わっています。

  • 回数の目安:15〜20回 × 2〜3セット
  • ポイント:お尻を上げたときに2秒キープすると効果UP

③ カーフレイズ(つま先立ち運動)

壁に手をつき、つま先立ちを繰り返す簡単な運動です。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、下半身の血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしています。冷え性の改善にも役立ちます。

  • 回数の目安:20〜30回 × 2セット
  • ポイント:ゆっくり上げてゆっくり下ろすことで効果が高まる

体幹・骨盤周りを鍛えるメニュー

④ バードドッグ

四つ這いの状態から、対角の手足(右手と左足など)を同時に伸ばすエクササイズです。体幹の安定性を高め、骨盤のバランスを整える効果があります。腹圧のかかりすぎない体幹トレーニングなので、妊活中でも安心して取り組めます。

  • 回数の目安:左右各10回 × 2セット
  • ポイント:手足を伸ばしたとき、体がぐらつかないよう意識する

⑤ 骨盤底筋エクササイズ(ケーゲル体操)

椅子に座った状態で、膣周辺の筋肉を「締める→ゆるめる」を繰り返すエクササイズです。目には見えにくいトレーニングですが、骨盤底筋を鍛えることで子宮の位置安定や血流改善に寄与するとされています。

  • 回数の目安:5秒締める→5秒ゆるめるを10〜15回、1日3セット
  • ポイント:お腹や太ももに力を入れず、骨盤底だけを意識する

全身バランスを整えるメニュー

⑥ ルーマニアンデッドリフト(軽量)

2〜3kgのダンベルまたはペットボトルを持ち、膝を軽く曲げた状態でお辞儀をするように上体を前に倒す動作です。ハムストリングス(太もも裏)と背中の筋肉を効率よく鍛えられます。姿勢改善にもつながり、骨盤のゆがみ予防に役立ちます。

  • 回数の目安:10〜12回 × 2〜3セット
  • ポイント:腰を反らせすぎないこと。軽い重量から始める

⑦ インクラインプッシュアップ(壁・椅子を使った腕立て伏せ)

壁や椅子の座面に手をついて行う腕立て伏せです。通常の腕立て伏せよりも負荷が軽く、上半身の筋力を無理なく鍛えることができます。腹部への負担も少ないため、妊活中でも取り組みやすいメニューです。

  • 回数の目安:10〜15回 × 2セット
  • ポイント:体を一直線に保ち、胸をしっかり近づける意識で行う

✅ 妊活中の筋トレチェックリスト

  • □ 「ややきつい」程度の強度を守っている
  • □ 週2〜3回、30〜60分を目安にしている
  • □ 筋トレ前後にストレッチを行っている
  • □ 翌日に過度な疲労が残っていない
  • □ 月経周期に異常が出ていない
  • □ 十分な栄養(特にタンパク質・鉄分・葉酸)を摂っている
  • □ 水分をしっかり摂っている

不妊治療中の筋トレで気をつけたいポイント

不妊治療を受けている方にとって、「治療中も筋トレを続けていいの?」は特に気になるポイントだと思います。治療のステージによって注意点が異なりますので、しっかり確認しておきましょう。

タイミング法・人工授精(AIH)中の筋トレ

タイミング法や人工授精の段階では、基本的に中等度の筋トレを継続しても問題ないとする意見が多いです。ただし、排卵誘発剤(クロミッドやHMG注射など)を使用している場合は、卵巣が通常より大きくなっていることがあります。

その場合、激しい運動やジャンプ動作は卵巣茎捻転(卵巣がねじれる緊急事態)のリスクを高める可能性があるため、担当医に運動の可否を必ず確認してください。

体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)中の筋トレ

体外受精や顕微授精の治療サイクル中は、特に以下の時期に注意が必要です。

  1. 卵巣刺激期間:排卵誘発剤で卵巣が腫大するため、激しい運動は控える。ウォーキングや軽いストレッチ程度にとどめる
  2. 採卵前後(3〜5日間):身体への負担が大きいため、運動は原則お休み
  3. 胚移植後(着床期間):多くのクリニックでは「激しい運動は避けるように」と指導される。軽い散歩程度はOKとすることが多い
  4. 判定日まで:過度な運動を避け、日常生活レベルの活動を心がける

ある不妊治療専門クリニックの調査では、胚移植後に完全安静にした群と、軽い日常活動を続けた群で妊娠率に有意差はなかったという結果もあります。ただし、これは「運動してもよい」という意味ではなく、「過度な安静は必要ない」という意味です。

治療中の運動については、必ず担当の医師やクリニックの方針を確認してください。クリニックによって指導内容が異なることもあります。

ホルモン治療中の身体の変化と運動の調整

不妊治療で使用するホルモン剤は、体にさまざまな変化をもたらします。

  • むくみやすくなる:エストロゲンの影響で体内に水分が溜まりやすくなる
  • お腹の張り感:卵巣刺激に伴うOHSS(卵巣過剰刺激症候群)の初期症状の可能性
  • 感情の起伏が大きくなる:ホルモンバランスの変動による精神的な影響
  • 倦怠感・眠気:プロゲステロン補充の影響

こうした体の変化があるときに無理して筋トレを行う必要はありません。「今日は軽いストレッチだけにしよう」「散歩に切り替えよう」と、自分の体の声を聴きながら柔軟に調整することが大切です。

妊活×筋トレの週間スケジュール例

「具体的にどんなスケジュールで組めばいいの?」という方のために、妊活中の筋トレ週間プランの例をご紹介します。運動初心者の方向けと、ある程度運動経験のある方向けの2パターンをご用意しました。

運動初心者向けプラン

曜日 メニュー 時間
ウォーキング(ややきつい程度のペース) 30分
筋トレ(ワイドスクワット・ヒップリフト・ケーゲル体操) 20〜30分
休息日(軽いストレッチ・ヨガはOK)
ウォーキングまたは軽い水泳 30分
筋トレ(カーフレイズ・バードドッグ・インクラインプッシュアップ) 20〜30分
ヨガ・ストレッチ・ピラティスなどリラクゼーション重視の運動 30〜45分
完全休息日

運動経験者向けプラン

曜日 メニュー 時間
下半身筋トレ(スクワット・ルーマニアンデッドリフト・ヒップリフト・カーフレイズ) 40〜50分
有酸素運動(ジョギング・エアロバイク等、中等度ペース) 30〜40分
休息日(ストレッチ・フォームローリング)
上半身筋トレ+体幹(インクラインプッシュアップ・バードドッグ・プランク30秒×3等) 40〜50分
有酸素運動+ケーゲル体操 30〜40分
ヨガ・ピラティス・軽いウォーキング 30〜60分
完全休息日

生理周期に合わせた運動の調整ポイント

女性の身体はホルモンの変動に大きく影響を受けます。生理周期に合わせて運動内容を調整すると、より快適に筋トレを続けられますよ。

時期 ホルモンの状態 おすすめの運動
月経期(1〜5日目頃) エストロゲン・プロゲステロンともに低い 無理せず軽い運動・ストレッチ・ウォーキング
卵胞期(6〜13日目頃) エストロゲンが上昇、体調◎ 筋トレの強度を少し上げてもOK。最も力が出やすい時期
排卵期(14日目前後) エストロゲンピーク・LHサージ 中等度の運動を維持。排卵誘発剤使用中は激しい運動を控える
黄体期(15〜28日目頃) プロゲステロン上昇、体温上昇 やや強度を落とす。ヨガ・ピラティスなどリラックス系もおすすめ

「体が重い時期に無理をしない」「調子がいい時期にしっかりトレーニングする」という考え方は、妊活と筋トレの両立において非常に合理的なアプローチです。

まとめ:妊活と筋トレを上手に両立するために

ここまで、妊活中の筋トレが身体に与える影響について、さまざまな角度から解説してきました。最後に、記事の要点を整理しましょう。

📝 この記事の要点まとめ

  1. 適度な筋トレは妊活にプラス:血流改善、ホルモンバランスの正常化、適正体重の維持、ストレス軽減、睡眠の質向上といった多くのメリットがある
  2. やりすぎは逆効果になりうる:週6日以上の激しいトレーニングや極端な低体脂肪は、排卵障害や無月経のリスクを高める。「中等度・週2〜3回の筋トレ+有酸素運動」が妊活中に適した運動量の目安
  3. 不妊治療中は治療ステージに応じた調整が必要:特に卵巣刺激中・採卵前後・胚移植後は運動内容に注意が必要。必ず担当医に確認を
  4. 自分の体の声を聴くことが最優先:月経周期の変化や体調に合わせて柔軟に運動計画を調整し、無理はしないこと
  5. 迷ったら専門家に相談を:婦人科医、不妊治療専門医、スポーツトレーナー等に相談することで、自分に最適な運動プランが見つかる

妊活は身体的にも精神的にも負担が大きい時期です。だからこそ、筋トレのような運動を通じて心身をリフレッシュし、「自分の体を大切にしている」という実感を持つことは、とても大きな意味があると思います。

この記事の情報が、あなたの妊活ライフに少しでも役立てば幸いです。焦らず、自分のペースで、一歩ずつ進んでいきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 妊活中に筋トレをしても妊娠に悪い影響はありませんか?

適度な筋トレ(週2〜3回・中等度の強度)は、妊娠に悪い影響を与えるどころか、血流改善やホルモンバランスの正常化などプラスの効果が期待できます。ただし、毎日のハードなトレーニングや極端なカロリー制限を伴う筋トレは排卵障害のリスクを高める可能性がありますので、強度と頻度に注意が必要です。心配な場合はかかりつけの医師にご相談ください。

Q2. 排卵日前後に筋トレをしても大丈夫ですか?

排卵日前後でも、通常の中等度の筋トレであれば問題ないとされています。ただし、排卵誘発剤を使用している場合は、卵巣が腫大しているケースがあり、激しい運動やジャンプ動作は卵巣茎捻転のリスクが指摘されています。排卵誘発剤を使用中の方は、必ず担当医に運動の可否を確認してください。

Q3. 体外受精(IVF)の治療中でも筋トレはできますか?

体外受精中は治療のステージによって運動の可否が異なります。卵巣刺激期間中は卵巣が大きくなるため激しい運動は控えるべきとされ、採卵前後は運動をお休みするのが一般的です。胚移植後も多くのクリニックでは「激しい運動は避けて」と指導しています。詳細はクリニックの方針に従い、必ず担当医に確認してください。

Q4. 妊活中にスクワットをすると骨盤に良いと聞きましたが本当ですか?

スクワット(特にワイドスクワット)は、骨盤周りの筋肉や大臀筋・内転筋を鍛えることで骨盤内の血流を改善する効果が期待できます。子宮や卵巣への血液循環が良くなることは、卵子の質の維持や子宮内膜の成長にプラスに働くと考えられています。無理のない重量・回数で正しいフォームで行うことが大切です。

Q5. 腹筋トレーニング(クランチ・シットアップ)は妊活中に避けるべきですか?

軽度の腹筋運動であれば妊活中に行っても基本的に問題はありません。ただし、高強度の腹筋トレーニング(ハンギングレッグレイズやウェイテッドクランチなど)は腹腔内圧を大きく高めるため、骨盤底筋への過度な負担になる可能性があります。妊活中はバードドッグやプランクなど、腹圧をかけすぎない体幹トレーニングを中心にするのがおすすめです。

Q6. 筋トレとヨガ、妊活にはどちらが効果的ですか?

どちらか一方ではなく、組み合わせるのが理想的です。筋トレは筋力向上・基礎代謝アップ・血流改善に優れ、ヨガはストレス軽減・柔軟性向上・自律神経の調整に効果的とされています。例えば、週2〜3回の筋トレに加え、週1〜2回のヨガを取り入れるスケジュールがバランス良くおすすめです。ご自身が楽しめる運動を続けることが、何より大切です。

Q7. 妊活中はプロテインを飲んでも大丈夫ですか?

一般的なプロテイン(ホエイプロテイン・ソイプロテイン)は食品の一種であり、妊活中に摂取しても基本的に問題はありません。タンパク質は卵子や子宮内膜の材料となる重要な栄養素です。ただし、人工甘味料やカフェイン含有の製品には注意が必要です。また、大豆イソフラボンを多量に含む製品の過剰摂取は避けるべきとされています。心配な方は医師や管理栄養士にご相談ください。

Q8. 高温期(着床期間)に筋トレをしても着床に影響はありませんか?

高温期(排卵後〜月経予定日)に中等度の筋トレを行うことで着床に悪影響が出るという明確なエビデンスは現時点ではありません。ただし、この時期は黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で体温が上がり疲れやすくなるため、無理をせず強度をやや落とすのが賢明です。「もしかしたら妊娠しているかもしれない」という期間でもあるため、激しい運動は避け、ウォーキングや軽いストレッチ程度に留めておくと安心かもしれません。

Q9. 夫(パートナー)も一緒に筋トレをしたほうがいいですか?

はい、男性側の適度な運動も妊活に好影響を与えるとされています。2017年のReproduction誌に掲載された研究では、中等度の運動習慣がある男性は精子の運動率や濃度が改善する傾向が報告されています。ただし、長時間の自転車やサウナなど、陰嚢の温度を上げる行為は精子に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。夫婦で一緒にウォーキングや軽い筋トレを行うと、コミュニケーションの機会にもなり、精神的なサポートにもつながりますよ。

【参考情報】

  • 日本生殖医学会「不妊症Q&A」 https://www.jsrm.or.jp/
  • 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン」
  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
  • Wise LA, et al. “A prospective cohort study of physical activity and time to pregnancy.” Fertility and Sterility. 2012.
  • Gudmundsdottir SL, et al. “Physical activity and fertility in women: the North-Trøndelag Health Study.” Human Reproduction. 2009.
  • Moran LJ, et al. “Exercise in polycystic ovary syndrome: a systematic review.” Human Reproduction Update. 2011.
  • American College of Sports Medicine (ACSM) “The Female Athlete Triad.”
  • Kovacevic A, et al. “The effect of resistance exercise on sleep: A systematic review of randomized controlled trials.” Sleep Medicine Reviews. 2018.

※本記事は医学的な情報提供を目的としたものであり、特定の医療行為を推奨するものではありません。運動プランの策定や治療方針の決定については、必ず医師にご相談ください。

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